Webサイトの目的は公開することではなく、運営して何かしらの成果を出すことです。更新担当者はコンテンツを作って公開し、アクセス解析のうえで改修したりする必要があります。その場合、更新担当者が一人もしくは2、3人であれば密に連絡を取り合って更新作業を行えば運営上の問題は起こりにくいですが、それが複数人ともなると、そうもいかなくなります。あらかじめルールを決めておくことが大切です。
更新・承認するメンバーを決める
コンテンツを更新したり公開するメンバーを決めます。更新者と承認者を分ける理由は記事後半に書いてあります。
担当コンテンツの範囲を決める
コンテンツが多い場合は担当を分割します。大抵の場合は、部署・部門別にすることが多いと思います。
更新者・承認者を決める
担当を分割した場合、分割した分だけの必要な更新者と予備担当を決めます。承認者の場合も同様です。
更新・承認のルールを決める
例を挙げます。
静的ページを作成・更新して、承認を受ける
メールやチャットなどを使って承認者に連絡し、サーバーにアップロードする。更新前と更新後のファイルを常に保持。
更新システムを使ってコンテンツを作成・更新して、承認を受ける
- 新規に作成したコンテンツのページを下書き保存して、自動で承認者へメール通知。事前にメール通知用のメールアドレスの確認が必要。
- 公開済みのコンテンツを更新する場合は、「ブランチ機能」を使って、複製下書き保存。自動で承認者へメール通知。
- 承認者は、修正の必要がある場合は更新者に連絡を、そうでない場合は公開作業を行う。
運営上の問題があった場合のルールを決める
Webサイトの運営で起こり得る問題と対処例をいくつか挙げます。
データベースエラーやウイルス感染、ハッキング等によりサイトの運営ができなくなった
定期的にデータベースや構成ファイルをバックアップしておき復旧。不具合の原因がわかり次第、修正。
更新者が誤って承認前のコンテンツを公開してしまった
静的ページの場合
更新前のファイルをサーバーにアップロード。承認後、改めて更新後のファイルをアップロードする。
更新システムの場合
- リビジョン(履歴)機能が有効な場合は、それを使って元に戻す。
- あらかじめ、更新者アカウントには公開権限を持たせていないのにも関わらず、承認前コンテンツが公開された場合は、更新者が承認者アカウントを使った可能性が高いので、その経緯の確認と今後の運営ルールを検討する。
承認後のコンテンツに誤りがあった
更新者と承認者を分けるべき一番の理由は、こういう場合があるためです。更新者は責任を問われるべきではありませんが、問われなくともストレスはかかるはずです。また、承認者も「人間」ですので、見落とすこともあるでしょうから、事前に下記のようなルールにしておけば更新・承認者の負担も軽くなるはずです。
- 騒がない、あわてない。
- 「ひとまず該当コンテンツを非公開にする」などのルールを決めておく。
- 必要があると判断した場合は、ニュースリリースでアナウンスする。
- 承認補佐人を立てる(二重チェック体制)。
- 更新者の負担になる場合は、コンテンツによっては更新を一部外部委託する。
「トラブルは起きるもの」として考える
Webサイト運営で一番面倒で憂鬱な気分になるのは、問題が起こってから解決までの工程です。事前の準備があればトラブルをできるだけ早く解決できるますし、トラブルを起こすつもりはなくとも「起きるもの」として考えておけば、運営上の心配ごとも減るはすです。
影絵イラストはシルエットデザインさんのものを使用させていただきました。
以上です。